人の眼は、色を光の反射で見ています。クリアファイルは透明素材の為、光を透過していしまいますので、通常印刷ですと、インクが透過して反射率が低くなり、色が見え辛くなります。
そこで、反射率の高い白インクを絵柄の下に印刷して見えやすくする必要があります。
当店では、オンデマンドプリンターで印刷しているため「刷版」は使用していませんがここでは便宜上「白版」と呼びます。
オフセット印刷
一般的なクリアファイル印刷では、反射率を高くするため、通常印刷を1回、白インクを2回印刷しています,しかも4+白2回、6色の版を通しているので版ズレが発生します。
オンデマンド印刷
他店のクリアファイルでは、透明フィルムの上にトナーを載せているため、光を透過してしまい反射光が少なくなり、色が薄くなり色材の凹凸で光を乱反射してしまいます。また白フイルムの上に印刷すると、中の書類が全く見えません。
当社印刷
当店のクリアファイルは、透明フィルムの裏から印刷しているので表面が鏡面光沢処理されたフィルムで反射率が高く、画像が鮮明に見えます。しかも、通常印刷と白トナー印刷を1回で印刷している為、版ズレが発生せず、しかも白トナーはオフセットインキに比べ隠蔽性が高く一度刷りでも鮮やかに印刷することができます。
クリアファイルに印刷する際必須の白版。
イラストレーターで特色設定を利用してデーター作成ができます。
1、特色スウォッチの作成
簡単操作で5色印刷が可能になります!
※白版を作成するときはディスプレイのプレビューはオーバープリントプレビューにしましょう。(『表示』をクリックしプルダウンメニューの『オーバープリントプレビュー』にチェックを入れましょう。)
⑴メニューバーの [ウインドウ ]メニューから [スウォッチ ]を出します。
⑵スウォッチウィンドウの右肩メニューで[新規スウォッチ]を呼び出し。
⑶名前を「White」に変更します。必ず半角英数で、頭文字は大文字に。
⑷カラータイプを「特色」にします。好きなカラーモードと色を割り当てます。
ここでは CMYK で C60%にしてみました。
⑸これで特色「White」の完成です
2、新規レイヤー作成
3、レイヤーのコピー
メニューの「編集」→「同じ位置にペースト」後、「白版」レイヤーに移動させます。
白版のレイヤーに入っているオブジェクトをすべて選択し、そのオブジェクトの塗りを、先ほど作った特色 White にします。
通常のデザインデータを作成します。CMYKでもRGBワークフローでもOK。今回はイラストのパンダの背面に白を引きます
特色Whiteを引いたら次の図のようになります。
白をひきたいオブジェクトをコピーペーストして前面に配置。ペーストしたデーターを白版レイヤーに移動させます。塗りを先ほど作った特色Whiteにします。
4、白版レイヤーのオーバープリント
プレビューの表示方法がオーバープリントプレビューになっていればオーバープリントのチェックを入れると下記のように白版が透けて下の階層の画像が見えるようになります。
以上で白版は完成です、保存をかけてください。
5、POINT 下地のホワイトは少しワイドに
下地にホワイトをひく場合、上の案内の様に対象となるオブジェクトをコピーして使用するわけですが、その際に少しだけホワイト側のオブジェクトを大きくするのがミソ。
余程クライアントからの要望が無い限りはパスのオフセットで 0.5mm 程度ワイドにしておきましょう。あまりワイドにし過ぎると白フチで巻いた様になってしまいますが、これをしないと逆にエッジが目立ってしまったり、デザインを崩してしまう場合が有ります。
完成例(竹はフォトショップ上で白版を作成し配置しています)
フォトショップでも、イラストレーターと同じように特色設定を利用すれば簡単に白版設定ができます。
※今回の説明で使用するイラストは分かれていませんが、フォトショップでイラストを描画するときに、『白版を付けるイラスト』と『白版を付けないイラスト』でレイヤーを分けて描画しておくと白版の作成がしやすくなります。
1、クイック選択ツール(白版部分の選択)
2、境界線を調整
出力先は新規レイヤー(レイヤーマスクあり)で出力します。
3、レイヤーマスクサムネール
「属性」の「マスクの境界線」を選択します。再度、調整が終わったら『出力先』を「選択範囲」にして『OK』をクリックします。
4、白版用の新規スポットカラーチャンネル
5、PSDファイルで保存する
また、イラストレーターに配置しても白版レイヤーが適用されます。